H 邸
100年の古民家を
さらなる100年に向けてリノベーション
松本市の西の近郊、野麦峠に向かう旧街道近くに残る古民家群の一角に位置する。本来この家は、創建当初から、いわゆる「古民家」の形態をもってはいなかった。この地域一体の典型的な様式は「本棟造り」という、大きな切り妻屋根が通りに面した、「大屋根」をもつ民家(街道沿いの店舗の形態をとっている)である。この地域の人たちにとっては、この「立派な本棟造り」の家に住む事が、ステータスであったことが容易に想像される。
ここはオーナーが学生時代までを過ごした生家であり、改築を機に、東京から信州に移り住むことが予定されていた。改築の大きな3つのポイントは、100年の古民家をさらなる100年に向けて改修すること、オーナーの住まいを今後に引き継ぐための改築をすること、また、かつてからの希望である、「本棟造り」への改造をすることとなった。改修前のこの建物の妻方向は、南であるが、戦後、主要な通りが、南から西に移ったため、道路から見ると、建物の横方向からみる形になっている。それを、現在の通りに面した「本棟造り」に変更するというものである。
信濃毎日新聞社刊「リビング信州2002」所収。
所在地
主要用途
建築設計
設備設計
建築施工
工事種別
構造規模
敷地面積
延床面積
竣工
長野県松本市
住居
株式会社アカデメイア
有限会社館設備設計事務所
株式会社冨田建設
改築(古民家の現地再生)
木造 平屋建て
770㎡
180㎡
2003年10月
写真撮影/齋部 功
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