蔵の家

歴史ある蔵を建物ごとリフト

富士の眺望を得て生活しやすさも両立。

築90年の蔵の現地再生を中心とした住宅の増改築。場所は、山梨県の大月から山中湖に抜ける街道沿いの旧農家。施主が、子供時代に勉強部屋として使っていたのが、この蔵(座敷蔵)の2階の和室だった。この蔵を改造して、夫婦2人のための快適な住宅とするのが目的。この地からは、富士山が間近だが、今の建物の配置や、蔵の高さでは、窓から富士山を臨む事ができなかった。事前の測定の結果、蔵の二階をあと1500mm高く持ち上げれば、富士山をいつも眺める事ができることも分かり、基礎、土台の改修をかねて、全体のリフトアップを敢行した。鉄筋コンクリートの基礎を鉄筋コンクリート打ち放しの増築部分と一体化し、さらに、懐かしい蔵のファサードをそのまま室内に持ち込んで、かつての子供時代の環境を継続して引き継ぐ方法とした。

日常の「くらし」を大切に考えている施主は、細かなこだわりを持っている。それらを活かして親しい人たちとのお付き合いをこの空間で楽しみたい、ということも要望のひとつであった。改築によって、二階の大空間で、建物を楽しみ、富士山を楽しみ、料理を楽しみ、会話を楽しむことがが可能となった。

今回の改築で、蔵は再び新しい歴史を刻み始める。さらにまた100年・・。(住宅建築10月号 原稿より引用)

所在地

建築設計

構造設計

設備設計

建築施工

工事種別

構造規模

敷地面積

延床面積

竣工

山梨県南都留郡

株式会社アカデメイア

㈲CRS構造設計研究所

有限会社館設備設計事務所

安藤建設株式会社

増改築

木造一部RC造 地上2階

140㎡

120㎡

2004年12月

写真撮影 齋部 功

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