坊ちゃん劇場

客席全体を舞台と同室の空気に引き込む

建築音響的な設計。

道後温泉と漱石で有名な松山市から東へ約15km、東温市(旧重信町ほか)にあるショッピングセンター・温泉宿泊施設・老健施設などを擁する複合施設の一角に新たな文化拠点として計画された演劇専用の劇場である。

演劇専門の劇場は日本では未だにそれほど数が多いわけではない。秋田県田沢湖町を本拠とする劇団わらび座の本拠地以外での初めての常設劇場でもある。

わらび座演劇の特徴は観客一人一人に直に働きかけるパワーと不思議なすがすがしさにあり、それは舞台と客席とのあり方に反映されなければならない。向こう側の舞台とこちら側の客席という関係ではなく客席全体を舞台と同室の空気に引き込む音響環境、照明環境を実現しなければならない。設計においては機械音響以前に建築音響的な部分の設計に力を注いだ。舞台の上での生のささやき声が最前列でも最後尾でも同質の音として聴こえるようにするにはどのように舞台からの一次音、二次音をコントロールするかということにかかっている。

演劇専門劇場としては経営的な要素も含めて700〜800席がふさわしいが坊ちゃん劇場では450席とした。坊ちゃん劇場のこれからの運用状況をみてわらび座は第三の常設劇場を検討することになる。

所在地

建築設計

構造設計

設備設計

 

建築施工

工事種別

構造規模

敷地面積

延床面積

客席数

竣工

愛媛県東温市

株式会社アカデメイア

㈲CRS構造設計研究所

有限会社館設備事務所/

㈲宮川設備設計事務所

西松建設株式会社

新築

鉄骨造 地上4階

37,000㎡

2,000㎡

450席

2006年4月

写真撮影 齋部 功

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